Strathisla を調べてみた — Chivas の心臓と呼ばれるスペイサイド最古級の蒸留所

はじめに

Strathisla(ストラスアイラ)は、単体のシングルモルトとしての知名度はそれほど高くありません。でも、世界的なブレンデッドスコッチ Chivas Regal を飲んだことがある人なら、実は誰でもその味を知っています。Strathisla は Chivas の「心臓(ハート)」と呼ばれる中核モルトだからです。

「無名なのに、誰もが飲んでいる」——この不思議な立ち位置の蒸留所を調べてみました。

蒸留所の概要

項目 詳細
設立 1786年
所在 スペイサイド、Keith(キース)、River Isla 沿い
所有 Chivas Brothers(Pernod Ricard 傘下)
立ち位置 ハイランドで現役最古級の蒸留所
旧名 Milltown(創業時の名称)

1786年創業で、現役で稼働するスコッチ蒸留所としては最古級。亜麻産業の衰退を受けた代替事業として、George Taylor と Alexander Milne が Milltown 蒸留所として立ち上げたのが始まりです。

Chivas の中核モルト

Strathisla を語るうえで外せないのが、Chivas Regal や Royal Salute との関係です。

観点 内容
役割 Chivas Regal / Royal Salute の中核(ハート)モルト
買収 1950年に Chivas Brothers が取得
狙い スペイサイドらしい滑らかでリッチな酒質を安定確保するため

Chivas Brothers は1950年に Strathisla を買収し、自社のブレンデッドの土台として確保しました。Chivas Regal の「まろやかでリッチ」という看板の味は、この Strathisla の酒質に支えられています。ブレンデッドの主役は表に出ない縁の下の存在ですが、その心臓部がここにあるわけです。

「Home of Chivas」としての美しさ

Strathisla は、スコットランドでも屈指の美しい蒸留所としても知られます。River Isla のほとりに建つ石造りの建物と、ふたつのパゴダ屋根(伝統的な麦芽乾燥棟の塔)が織りなす景観は、ウイスキー関連の写真でよく目にする「絵に描いたような蒸留所」そのものです。

このため「Home of Chivas(シーバスの故郷)」として見学拠点にもなっており、ブレンデッドの世界を学べる場として人気があります。

シングルモルトとしての Strathisla

中核はブレンド用ですが、シングルモルトのボトルも存在します。

  • 定番は Strathisla 12年。スペイサイドらしいフルーティーさと、しっかりしたボディ、トフィーやナッツのニュアンスを併せ持ちます。
  • 流通量はそれほど多くなく、スーパーで気軽に、というよりは専門店や蒸留所で出会うタイプ。
  • 「Chivas のあの味の正体を、混じりけなしで確かめる」という楽しみ方ができる一本です。

まとめ

観点 ポイント
立地 スペイサイド・Keith、現役最古級(1786年)
役割 Chivas Regal / Royal Salute の中核モルト
所有 1950年から Chivas Brothers(Pernod Ricard)
酒質 スペイサイドらしい滑らかでリッチ、フルーティー
楽しみ方 Chivas の味の「核」をシングルモルトで確かめる

ブレンデッドの裏方として世界中で飲まれながら、単体ではあまり名前が出ない——Strathisla は、ウイスキーの「ブレンドという技術」の奥行きを教えてくれる蒸留所です。Chivas を飲む機会があれば、その滑らかさの源がスペイサイドの古い蒸留所にあると思い出してみてください。

参考文献

  • Chivas Regal 公式. https://www.chivas.com/
  • Strathisla Distillery / Spirit of Speyside. https://www.spiritofspeyside.com/
  • Scotch Whisky Association. https://www.scotch-whisky.org.uk/
  • Buxton, Ian. “101 Whiskies to Try Before You Die.” 改訂版.

コメントする